古代都市アレッポは、シリアの北部にある都市アレッポに残る歴史的構造物が登録されたユネスコの世界遺産で、シリア第2の都市アレッポは、首都ダマスカスの北約300km、トルコ国境の近くにあります。3世紀のパルミラ滅亡後、東西交易の中継地として興隆しました。
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ユネスコ世界遺産委員会は、2013年、アレッポを含むシリアの世界遺産6か所すべてを「危機にさらされている遺産」に指定しました。中でも、特に危機的な状況にあるのが「古代都市アレッポ」です。
歴史的店舗を含む世界最大規模のスーク(市場)は、その大半が焼失し、「アレッポのウマイヤド・モスク(大モスク)」は、高さ45mの塔(ミナレット)が崩壊しました。(ダマスカスのウマイヤド・モスクはこちら)
さらに、街の象徴だったアレッポ城は、政府軍が駐留し激しい戦闘の場となっています。また、多くの遺跡が過激派の収入源の一つとして、盗掘の被害に遭っています。ユネスコは文化遺産を保護するためにプロジェクトを立ち上げ、専門家を通じて遺跡などの出土品を安全な場所に移したり、国外に持ち出されないようにしています。日本をはじめ国際社会全体の協力が望まれています。
アレッポ城
アレッポの街の東側、周囲の土地より50mほど高い丘の上に、アレッポ城が建っています。この丘にはかつて神殿があり、街の聖域でした。