アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区はスペイン中央のマドリード州東部に位置する都市アルカラ・デ・エナレスにある、15世紀以来の大学都市やその周辺からなる世界遺産です。
アルカラ・デ・エナレスは、「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」の著者として知らせる文豪ミゲル・デ・セルバンテスが生まれたことでも知られる学園都市。
「アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区」目次
世界初の計画的な大学都市「アルカラ・デ・エナレス」
15世紀ごろに衰退していた小さな都市であったアルカラ・デ・エナレスは、その後世界で最初の計画的な大学都市となり繁栄し、アメリカ大陸やヨーロッパでの都市計画のモデルとなっていきました。
学園都市の構想を発案したのは、2度に渡りスペイン王国の摂政を務めた賢者であるシスネロス枢機卿。シスネロス枢機卿が1508年から学園の中心となるサン・イルデフォンソ学院を始め25のカレッジを開設し、キリスト教の布教に務めた枢機卿は特に語学教育に力を入れ、1517年には4か国語の言葉に翻訳した対訳聖書を完成させて、スペイン近代史に多大な功績を残したのです。
この学園都市が生んだセルバンテスの「ドン・キホーテ」は都市の人々から愛され、町の中心にあるセルバンテス広場は多くの人の憩いの場となっています。
アルカラ大学
アルカラ大学は1499年にシスネロス枢機卿によってコンプルテンセ大学として創設された、世界でも有数の歴史をもつ大学。スペインで一番古い大学は1218年設立のサラマンカ大学。それに次ぐ2番目に古い大学です。
マヒストラル大聖堂
マヒストラル大聖堂は305年に殉教した聖フストと聖パストールが埋葬された場所に建てられた大聖堂。フストとパストールはローマ時代のアルカラで、キリスト教徒迫害にあった7歳と9歳の子供達です。
セルバンテスの生家
中世の雰囲気が素敵なことで有名な、メインストリートのマヨール通りにあるセルバンテスの生家。「才知あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」の作者、ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラが生まれて4歳まで過ごした家です。