アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群

「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」はエジプトにある世界遺産。ヌビアというのはナイルの上流、今のエジプトとスーダンにまたがる地域のことで、「ヌビア」は黄金という意味です。そんなヌビアには古代遺跡群が多数残っていましたが、1960年代、アスワン・ハイ・ダムの建設計画が持ち上がり、このダムが完成すると、ヌビア遺跡が水没する危機が懸念されていました。そこで、ユネスコの救済活動が行われ、アブ・シンベル神殿が64m上の丘に、フィラエ島のイシス神殿は、アギルキア島に移築される運びとなりました。

このようなことがきっかけで、歴史的価値のある遺跡・建築物・自然等を国際的な組織運営で守っていこうという機運が生まれました。
そして1972年11月16日、第17回ユネスコ総会にて、世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)が満場一致で成立しました。

「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」主要スポット

 

アブ・シンベル大神殿

アブ・シンベル大神殿は、新王国時代第19王朝の王であり、建築王の名で馳せたラムセス2世が建立した神殿です。古代エジプト神殿建築の最高傑作といわれるアブ・シンベル大神殿は、ナイル川にせり出した岩山を掘削して造られた岩窟神殿で、神殿正面には高さ約22mもあるラムセス2世の座像が4体並び、足元には彼の母や王妃、息子、娘などの小さな立像があります。

アブ・シンベル小神殿

アブ・シンベル大神殿より北へ100mほど離れた場所にあるアブ・シンベル小神殿は、エジプトの歴代王朝の中でも、王の中の王と称えられたラムセス2世が愛する王妃ネフェルタリのために建造した神殿です。

イシス神殿

イシス神殿は、古代エジプトの神オシリスの妹であり妻でもある女神イシスに捧げられた神殿で、紀元前3~紀元前4世紀のプトレマイオス朝時代に建てられました。神殿の壁面には、神々の姿を描いたレリーフが残っており、ナイルの水源の図など女神イシスの神性を表すレリーフもあります。

カラブシャ神殿

カラブシャ神殿は、ヌビアの太陽神マンドゥリスが祀られ、ヌビアの神々に捧げられた神殿です。神殿は、新王国時代に建設されアメンホテプ2世やトトメス3世が関わっていたといわれており、その後、プトレマイオス朝、ローマ帝国支配時代を通して再建されました。

この世界遺産のデータ・地図(場所)

名称アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群
エジプト
登録区分 世界文化遺産
登録年

1979年

キーワード

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